『黒板の文字を写す(板書)』が苦手なのは何故?

学校での困りごとの相談を受けることがよくあります。その中でも『黒板の文字をノートに写せない』というお子さまが多い印象です。

『そのまま写すだけなのに?』と大人には簡単に思えるため、何故❓と思うのではないでしょうか。

実は『板書』をするプロセスは、6つの複雑な処理が絡み合っているのです。

処理の途中でつまずく箇所は、お子さまによって違います。ですから先ずはどこでつまずいているかを探り当てる必要があります。

先生が黒板に書いた文字をノートに写していく作業は1つに見えますが、実は6つのステップで構成されています。


1.遠くにある黒板を見る。
2.文字を音声に変換して記憶し、どこまで記憶したか覚えておく。
3.音声の記憶を保持したまま、黒板から手元に視線を移動。
4.音声を文字に再度変換し、一文字ずつ書く。
5.2で記憶した文字の次の文字に視線を移動し、その続きを読む。
6.3⇒4⇒5の繰り返し

 

これだけのステップがあり、これを連続して行います。このプロセスのどこか1つでも苦手があると『黒板を書き写すのが苦手』とひとくくりにされてしまいます。

 

今回は『黒板の文字をノートに書き写せない』のなかでも一番お悩みが多かった、『連絡帳に書き写す』の動作に繋げることができるように、上記のステップ1.2.3.4までの作業をスモールステップで取り組んでみました。

 

ステップ1.2


 

ステップ3.4


 

一人ひとり苦手な箇所が違うため、保護者さまのサポートは不可欠です。しかし、単純なこと、シンプルなことを生活の中で時間見つけて取り組むことは根気がいり簡単ではないと思います。だからといって集団での教育の場では、個別に弱い部分をサポートしてくれるとは限りません。だからこそ、先ずはお子さまの苦手なところ、弱いところを把握することからスタートしてみましょう。その後で、全てのことはできなくても少しずつできることを見つけることはできていくと思います。